「ほっ」と。キャンペーン

中国との戦争

先日、県内の小学校6年生16人が来てくれました。
展示ガイドをしながら、時々子どもたちに質問します。

「この写真は何か分かる?」
「マユ!」「カイコ!」
「よく知ってるねー」
「学校で飼ってたの」

「大正時代の終わり頃、日本の輸出の主力商品の一つが生糸でした。じゃあ、今は何?」
「車!」

反応のいい子どもたち。

そしてソ連侵攻のコーナーへ。
8月9日に満州へ侵攻してきたソ連軍は150万人以上というものすごい兵力でした。
一方、日本の関東軍は昭和18年あたりから次々と南方戦線へ転用されており、まともに対峙できる状況ではありませんでした。
そこで質問。
「その頃、日本はどこと戦争していたの?」

「中国!」

驚きました。複数の子が即座に「中国」と言いました。
ああ、その通りだよ、キミたち。そうだよね。
多くの人がここで「アメリカ」と答えます。
多くの日本人がアメリカと戦争して敗けたと思っています。
日中戦争の認識が薄い私たち。
終戦時、外地にいた日本陸軍約200万人のうち中国(旧満州を除く)には約105万人も配置されていました。
でも、中国で、アジアで行われた日本の戦争について、私たちはあまりにも学んでいません。
彼らは昨年の修学旅行で、東京大空襲戦災資料センターにも行っており、もちろん太平洋戦争のことも勉強しています。そして卒業前に満蒙開拓平和記念館に来ました。日中戦争を、いえ、満州事変から始まる15年戦争を学んできたのですね。

刻むべきは敗戦の歴史だけではない。
6年生に教えられました。
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# by kinen330 | 2017-02-19 19:15

教育方針

「母は樺太から終戦2日前に引揚げて来たんです。
 その苦労話をよく聞かされました。
 彼女の教育方針は、
 男でも女でも、YES・NOがきちんと言えること、
 自分で判断できること。
 私はそうやって育ちました。」

帰り際に話してくれたその女性は
話しながらこみ上げてくる涙に声を詰まらせていました。
満州から引揚げて来た人々の証言をじっと読んでいました。
母親の体験と重ね合わせながら。
活字を自分の中で消化しながら。

歴史に学び、平和な社会を築くために
次の世代をどう育てるのか。
私たちの責任です。

その女性の姿に、お母さんへの誇りを感じました。
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# by kinen330 | 2017-02-12 18:00

甘藍の露

「七夕や 芋の露なし 甘藍(かんらん)の露」

甘藍とはキャベツの中国語名。
七夕には里芋の葉に溜まった露で墨をすり短冊を書く習わしがありますが
満州では里芋がなかったのでキャベツの葉の露で代用したそうです。
この句は当時したためた一句とのこと。

季節外れの話題ですが、語り部さんのこぼれ話のおすそ分けです。
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# by kinen330 | 2017-02-10 18:40

リレー

アカザのお浸しを出したらものすごい剣幕で怒られたって聞いたことがある。
満州からの引揚げの途中に生で食べた、思い出したくもない、と。

内原での訓練を終え、新潟の港から満州へ出発する息子を、お金がなくて見送りに行ってやれなかったことを生涯悔いて亡くなった女性がいた。
義勇軍で行ったその息子さんは結局消息が分からず、戦後しばらくしてからお葬式を出したらしい。

「うちは開拓者だもんで」と自分を蔑むような言い方をした。どうして、と気になっていた。戦後の再入植地に住んでいた人・・・。

昨日、小中学校の先生方の視察研修会があり、ベテランの先生方がこんな話をしてくれました。
「満州」がまだ人々の中に生々しく息づいていた時代。
悲しみや怒りや悔恨や怨念が消化しきれずくすぶっていた時代。
ヒリヒリとした傷口に、まわりも、社会も、触れることはできなかったのでしょう。
この歴史が語られてこなかったことに、思い至ります。

歴史を次の世代に伝えていくということは、やはり各世代の人々のリレーによるものだと感じました。
時代の空気や日常のひとコマに、市井の人々の歴史があります。
それを伝えていくのは、市井の人々なのです。
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# by kinen330 | 2017-02-04 12:42

不穏な空気

あの島も玉砕。この島も玉砕。
敗けたとは言わんのだな。
玉が砕けると書いて・・・要するにやられちゃったんだよ。
昭和20年になると使用人の「満人」がだんだん言うことを聞かなくなってきた。
あいつらは日本が戦争に敗けることを知っとったんだな。
大切にしとるつもりだったんですがねぇ。

――満州の開拓団にも不穏な空気が漂い始めたあの頃。

戦争なんてもんはしない方がいいですね。
勝った方もあんまりいい気持ちはしないと思いますよ。

87歳の語り部Sさん。
小学生の前で話をしてくれました。
今夜もお経を唱えながら眠りにつくのでしょう。
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# by kinen330 | 2017-01-20 18:31