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百恵ちゃん

「年齢がバレちゃいますけど、百恵ちゃんのドラマの『赤い運命』知ってます?」
「もちろん!赤いシリーズ、見てましたよ」
「あの殺人者の父親の設定が元満蒙開拓青少年義勇軍だったんですよ」
「ええ~っ!三國連太郎がやった役ですよね。知らなかった~」

名古屋から私と同世代の女性2人が来館され、
とても熱心に見学していってくださいました。
帰り際に窓口で昼神温泉行きのタクシーを手配され、
「私たち温泉に来た訳じゃないんです。ここを目的に来たんです」
と熱く語ってくださいました。
満蒙開拓に興味があったのですかとおたずねしたところ、上の会話となりました。

『赤い運命』は伊勢湾台風の混乱の中で、生まれたばかりの赤ちゃんが取り違えられてしまい
運命のいたずらで全く違う立場となった2人を描いたドラマでした。
かたや三國連太郎が演じる殺人者の娘。
かたやその殺人者を追う刑事、宇津井健の娘。
百恵ちゃんは殺人者の娘として孤児院から引き取られるかわいそうな役どころでした。
そのお父さん、三國連太郎は子どもながらに本当に怖い人に見えました。
(晩年はスーさんになってしまうのですが)

改めて調べてみると、元義勇軍の三國連太郎役は元上官や指導者への復讐で殺人に至るとのこと。
彼の過去に一体何があったのでしょうか。
そして、制作者たちは元義勇軍という設定で何を描こうとしていたのか・・・。
実は「国家」対「個人」という深いテーマがあったようです。
放映は1976年。戦後31年でした。

子ども時代に夢中で見た赤いシリーズの中にこのような背景があったとは。
40年ほど経って知る驚愕の事実でした。
年齢がバレちゃいますけど。
by kinen330 | 2015-03-18 18:25

満蒙開拓平和記念館の非公式ブログ。記念館にまつわるよもやま話を綴ります。


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