責める

「私が生まれたせいで、兄は満州へ行ったのではないでしょうか。」

滋賀県から電車やタクシーを乗り継ぎ、一人の女性Sさんが来館されました。

お兄さんとは異母兄妹。お兄さんのお母さんは病気で亡くなり、
再婚されたお母さんから生まれたのがSさん。
「居場所がなかったのでは・・・。」

お兄さんは長男でしたが満蒙開拓青少年義勇軍で満州へ渡りました。
一旦帰国してきたのだそうですが、再び満州へ。
そして、終戦後に亡くなりました。
最後を見届けた友人が遺髪を持ち帰ってくれたそうです。

「私のせいで、兄は亡くなったのでは・・・。」

お兄さんはSさんの名前を呼んで可愛がっていたよと、
まわりの人たちは言ってくれるそうですが、
Sさんはずっと自分を責めていたのです。

「ここに来てお話をして少し肩の荷が下りました。」
微笑む顔にはえくぼがあり、かわいい妹さんだっただろうと思いました。

いろいろな「満州」が、人々の心の奥深く突き刺さったまま。
年月の経過も癒すことができない傷が、残ったまま。
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by kinen330 | 2015-06-28 19:24

満蒙開拓平和記念館の非公式ブログ。記念館にまつわるよもやま話を綴ります。


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