リレー

アカザのお浸しを出したらものすごい剣幕で怒られたって聞いたことがある。
満州からの引揚げの途中に生で食べた、思い出したくもない、と。

内原での訓練を終え、新潟の港から満州へ出発する息子を、お金がなくて見送りに行ってやれなかったことを生涯悔いて亡くなった女性がいた。
義勇軍で行ったその息子さんは結局消息が分からず、戦後しばらくしてからお葬式を出したらしい。

「うちは開拓者だもんで」と自分を蔑むような言い方をした。どうして、と気になっていた。戦後の再入植地に住んでいた人・・・。

昨日、小中学校の先生方の視察研修会があり、ベテランの先生方がこんな話をしてくれました。
「満州」がまだ人々の中に生々しく息づいていた時代。
悲しみや怒りや悔恨や怨念が消化しきれずくすぶっていた時代。
ヒリヒリとした傷口に、まわりも、社会も、触れることはできなかったのでしょう。
この歴史が語られてこなかったことに、思い至ります。

歴史を次の世代に伝えていくということは、やはり各世代の人々のリレーによるものだと感じました。
時代の空気や日常のひとコマに、市井の人々の歴史があります。
それを伝えていくのは、市井の人々なのです。
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by kinen330 | 2017-02-04 12:42

満蒙開拓平和記念館の非公式ブログ。記念館にまつわるよもやま話を綴ります。


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