せいせいと

飲まず食わずの逃避行。
寝るところもなく湿地帯の水の中で一夜を明かすが
お腹がすいて眠ることもできない。
7ヶ月の身重で1才の娘を連れて歩くYさん。
裸足で足が痛くて、ひもじくて、苦しい。
「子どものない人が羨ましくてならなかった。」
列に遅れないように歩くが、衰弱して歩行困難になる。

「みんな次から次と子供を殺してせいせいとしたような顔をしている」
私もいっそ・・・、何度となく考える。
その後の収容所生活は更なる地獄が待っていた。

ようやく帰国の途についた女たち。
「子どもだけを殺して、自分ばかり帰った」と言われはしないか。

そんな女たちがたくさんいた。
哀しみを抱えて生きてきた。
尊厳を奪われた人々。
誰が責められようか。
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by kinen330 | 2017-05-01 18:32