えらい人は

「えらい人は生き残ることになっとるんだ。」

叔父さんが戦時中に満州へ行っていた。
お祖父さんは村長という立場だった。
昭和19年、県のえらい人から「戦況が悪く満州も危ない」という情報を聞き、
息子を日本へ呼び戻し、無事に終戦を迎えたと。

「えらい人は生き残ることになっとるんだ。
 開拓団の人たちは何も知らされずに棄てられた。
 ひどい話だ。」

吐き捨てるように言う男性。
生死を分けた情報を、自分の家族は得ることができたという事実は
喜びでも安堵でもなく、むしろ苦しみや怒り、そして
社会への不信を抱かせるものだった。





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by kinen330 | 2017-06-25 18:39