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記憶の対話

「早く引揚げてきた人たちには残留した人の苦労は分からないと思っていました。」

祖母が残留婦人だったというTさんが来館されました。
敗戦後の避難民生活で命をつなぐため、家族を守るために
現地の人たちの妻になる選択をした女性たち。
祖国への思いを胸に秘めながら
現実を受け入れ乗り越えてきた女性たちです。

終戦の翌年から始まった満州からの引揚げ。
多くの人が1946年に帰ってきました。
「引揚げ者」といわれています。
残留孤児、残留婦人となった人たちは
国交正常化の1972年以降に帰ってきました。
「中国帰国者」といわれています。

引揚げ者の人たちは、
それでも「日本人」として受け入れられ、
日本社会で再出発ができたのではないか。
戦後の復興、高度経済成長の恩恵を受けることができたのではないか。
何より、子どもたちに教育を受けさせることも。

Tさんは語り部講話を聴きました。
この日の語り部さんは1946年10月に引揚げてきた人でした。
ようやくたどり着いた故郷で
「満州から帰った人たちに売る物はない」と買い物を拒否されたり
「満州がえりは勉強しなくていい、働け」と身内からも言われたり・・・。
自分が満州からの引揚げ者だと他人に言えるようになったのは
ほんの数年前からだと話されました。

早く引揚げてきた人たちが受けた心の傷を知りました。

こうして、お互いの体験を聴き合い理解し合うことが
「記憶の対話」というのだと思います。
それは和解への一歩になり、お互いの心を豊かにするのだと思います。



by kinen330 | 2019-11-24 18:50

満蒙開拓平和記念館の非公式ブログ。記念館にまつわるよもやま話を綴ります。


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