高校生レポート
2022年 10月 02日
「当時開拓民は勝手に大陸に渡ったんですよ(残留孤児さがしの訴えに対する国の対応の場面)」という文章の「勝手に」という部分を読んだ瞬間に「は?」と声に出しそうになりました。
日本に来たからといって、日本で暮らすからといって、日本人でいなければいけないというのは違うと思いました。その人はその人らしく生きたらいいと思います。
G高校3年4組。今週末開催された文化祭に向けて取り組んできたテーマは「中国残留孤児」。
彼らは夏休みに山本慈昭の半生を描いた『望郷の鐘』を読み進めながら、記念館に来館して満蒙開拓の歴史を学び、同時代にあった中国人強制労働のことも学び、フィリピン残留孤児のことも学び、実際に中国帰国者1世、2世の話を聴くなどして、50ページに及ぶレポートにまとめました。
そこには、それぞれの場面ごとに担任の先生からの問いが立てられ、それについて生徒たちが感じ、考えたことがびっしりと書き連ねられています。
この率直で瑞々しい反応。さらに文章にすることで思考が深まっていく姿が伝わってきます。
これでもかというほど畳みかけられる先生からの難しい問いに、彼らはいろいろな人の置かれた立ち場に寄り添い、時には為政者や国のあり方に異議を唱え、何より、人としてどうあるべきかを考えていきます。
この担任の先生のエネルギー!先生自身の学びの深さと、生徒たちへの思いの深さに感銘を受けます。
高校3年生。彼らが踏み出していく社会が自由で平和であるよう、この歴史と今を問い続けていこうと、思いを新たにしました。
by kinen330
| 2022-10-02 16:51