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生命の輝き

「引揚げの旅は素晴らしい旅だった」
加藤登紀子さんのお母様は、ハルビンから葫蘆島までのその苛酷な移動を
このように表現したという。
明日をも知れない状況の中
「今という瞬間を精一杯生きているのよ。
 精一杯、今日も生きたね」
ということを皆で共有しながら葫蘆島へ向かった日々。
生涯の中でたぐいまれな大切な旅だった、と。

王希奇氏が描いた「一九四六」の人々は
そのような旅を続けようやく葫蘆島に辿り着いた人々だ。
年寄りを背負い、子どもに乳を飲ませながらも、歩いている。
生きようと、生きて祖国へ帰ろうと歩いているのだ。
その"人間の生命の輝き”が、差し込む光ではなく、
自ら輝く「ホタルの光」として散りばめられている。

6日間の「一九四六」展が無事に終了した。
2,000人を超える来場者それぞれが、
あの引揚者たちの一員となってともに歩きながら
耳を傾け、語りかける。
記念館という空間の中で交わされる絵との対話。
それはやはり素晴らしい時間であり、素晴らしい旅であった。

ご来場いただいた皆さま
この展覧会を支えてくれた方々、仲間たちに
心からの感謝を。



by kinen330 | 2023-03-26 19:42

満蒙開拓平和記念館の非公式ブログ。記念館にまつわるよもやま話を綴ります。


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